はじめに

低侵襲治療は、従来の開腹手術に比べ患者の負担を軽くし、在院日数を減らせる等、さまざまなメリットがあります。その一方で、カテーテルやシャフトを用いた低侵襲医療デバイスの設計では、ある部分の機械的特性を向上させると、別の部分の特性が低下するという典型的な問題があります。


課題

一般的に、金属チューブにおいては柔軟性と耐伸性の両立は困難です。

・単条コイル(クローズドピッチコイル)は、柔軟性は高いが、耐伸性は低い

・ハイポチューブは、耐伸性は高いが、柔軟性は低い

例えば、屈曲した血管を通過するために、カテーテル用シャフトには柔軟性が求められます。しかし、柔軟性を高めると手元の操作が先端部に伝わらず、シャフトがねじれたりキンクしたり、トルク伝達性が損なわれる場合があります。また、シャフトの柔軟性を上げる事で、耐伸性や耐圧縮性が悪化するなど、デバイスの操作やデリバリーが困難になる可能性もあります。


当社の提案

多条コイル(ケーブルチューブ)は、らせん状の線材を撚り合わせた中空コイルです。ケーブルチューブをねじれ方向に回すと、それぞれのワイヤーが互いに押し合い、結果として優れたトルク伝達が可能です。またケーブルチューブでは条数を変えることで、柔軟性と耐伸性のバランスをとることができるのです。


条数と特性の関係


これはほんの一例で、他にも設計上のトレードオフは数多く存在します。朝日インテックは、ISO13485とISO9001を取得した医療部材メーカーであり、このようなトレードオフや課題解決を得意としています。